危険物取扱者試験・物理化学対策

危険物取扱者試験・物理化学対策

はじめに

危険物取扱者試験の物理化学分野で、やや発展的な内容も含めて知識をまとめてみました。高校物理、高校化学は既習想定で、忘れやすい内容などを再度まとめているため、網羅性は無いです。

1. 燃焼の化学

無炎燃焼

無炎燃焼とは、炎を伴わずに進行する燃焼で、燻焼ともいう。
たばこや線香などで見られ、主に固体で起こる。
酸素濃度が低い条件でも起こることがある。

燃焼の三要素

  • 可燃性物質
  • 酸素供給体
  • 点火源
燃焼を停止させるには、燃焼の三要素のいずれかを取り除けばよい。

着火しやすさ

  • 最小着火エネルギーが小さい物質ほど着火しやすい。
  • 体膨張率は、燃焼のしやすさとは直接関係しない。
体膨張率は爆発現象と関連づけて考えやすいが、燃焼の難易を示す指標ではない。

爆発の分類

分類 特徴
物理的爆発 化学反応を伴わず、圧力の急上昇などの物理的変化によって起こる。
化学的爆発 燃焼や分解などの化学反応によって、急激に熱やガスが発生して起こる。

ハロゲンと燃焼

ハロゲン化物は、火炎中の連鎖反応を抑制することで燃焼を抑える。
この作用は、消火剤の抑制効果、または負触媒効果として利用される。

ガスの分解爆発

物質 分解反応式
アセチレン C₂H₂ → 2C + H₂
エチレン C₂H₄ → C + CH₄
酸化エチレン C₂H₄O → CO + CH₄

これらの物質は、空気や酸素が十分になくても、物質自体が分解することで爆発することがある。

2. 燃焼の区分・燃焼範囲

燃焼範囲

燃焼範囲とは、可燃性ガスまたは可燃性蒸気が空気と混合したときに、
燃焼が可能となる濃度の範囲をいう。
爆発現象については、爆発範囲ともいう。

通常は、容量百分率または体積百分率である
vol%で表す。

燃焼限界

燃焼範囲の下側の境界を下限界、上側の境界を上限界という。

  • 下限界より濃度が低い場合、可燃性物質が不足して燃焼しない。
  • 上限界より濃度が高い場合、酸素が不足して燃焼しない。

引火点

引火点とは、液体から発生した蒸気が空気中で燃焼下限界の濃度に達し、
点火源を近づけたときに一瞬燃焼する最低温度である。

引火点では一瞬燃えるだけで、燃焼を継続できるとは限らない。

ガソリンの例

項目
燃焼範囲 約1.4〜7.6 vol%
引火点 −40℃以下

予混合燃焼と拡散燃焼

燃焼方式 特徴
予混合燃焼 可燃性ガスと空気を、燃焼前にあらかじめ混合しておく。
拡散燃焼 可燃性ガスが空気中へ拡散し、燃焼しながら混合する。

液体の燃焼

液体は、液体そのものが直接燃えるのではなく、
液面から蒸発した可燃性蒸気が燃焼する。
これを蒸発燃焼という。

固体の燃焼

燃焼方式 特徴 代表例
表面燃焼 固体表面で直接燃焼する。 木炭、コークス、金属粉
蒸発燃焼 固体が昇華または蒸発し、発生した蒸気が燃焼する。 硫黄、ナフタレン
分解燃焼 熱分解によって生じた可燃性ガスが燃焼する。 木材、石炭、紙、プラスチック
自己燃焼 物質内部に含まれる酸素を利用して燃焼する。内部燃焼ともいう。 セルロイド、ニトロセルロース、第5類危険物
自己燃焼は分解燃焼の一種であり、外部からの酸素供給が少なくても燃焼が進行し得る。
3. 比表面積・化学反応式

比表面積

比表面積とは、単位質量あたりの表面積をいう。
同じ質量であれば、粒子が細かいほど全体の表面積は大きくなり、
比表面積も大きくなる。

  • 粒子が細かいほど空気と接触する面積が増える。
  • 比表面積が大きいほど、一般に酸化や燃焼の反応速度が大きくなる。
  • 粉末状の物質は、塊状の物質より燃焼しやすい。
粉じん爆発や金属粉の燃焼では、比表面積の大きさが重要になる。

アボガドロの法則

同じ温度、同じ圧力では、同じ体積の気体には同じ数の分子が含まれる。

気体の化学反応では、同温・同圧であれば体積比を分子数比として扱える。

気体反応の考え方

例えば、水素と酸素の反応は次のように表される。

2H₂ + O₂ → 2H₂O

反応前後がすべて気体で、温度と圧力が同じであれば、
体積比もおおむね
2:1:2
として考えられる。

4. 主な引火性液体の性状

比重

比重とは、水を基準とした密度の比である。
主に固体や液体について用いる。

  • 比重が1より小さい液体は水に浮きやすい。
  • 比重が1より大きい液体は水に沈みやすい。
水に溶けるかどうかと、水に浮くか沈むかは別の性質である。

蒸気比重

蒸気比重とは、空気を基準とした気体または蒸気の密度の比である。

  • 蒸気比重が1より大きい蒸気は、低い場所に滞留しやすい。
  • 蒸気比重が1より小さい気体は、上方へ拡散しやすい。

引火点・燃焼点・発火点

用語 意味
引火点 点火源を近づけたとき、一瞬燃焼する最低温度。
燃焼点 点火後、燃焼を継続できる最低温度。
発火点 点火源がなくても、自ら燃焼を開始する最低温度。
一般に、温度の関係は次のようになる。
引火点 < 燃焼点 < 発火点

引火点と燃焼点の違い

引火点では、液体から発生した蒸気が一瞬燃えるだけで、
火を遠ざけると燃焼が止まることがある。

燃焼点では、点火後も可燃性蒸気の発生が続くため、
燃焼を継続できる。

5. 混合ガスの燃焼下限界

ルシャトリエの法則

混合ガスの燃焼下限界は、ルシャトリエの法則によって求められる。
これは各成分の燃焼下限界の加重調和平均となる。

1/L = y₁/L₁ + y₂/L₂ + …

  • L:混合ガスの燃焼下限界
  • y:各ガスの混合割合
  • L:各ガス単独の燃焼下限界

計算例

燃焼下限界5%と10%のガスを1:1で混合した場合

1/x = 0.5/5 + 0.5/10

= 0.10 + 0.05
=0.15

x ≒ 6.7%

燃焼下限界の計算では、単純平均ではなく調和平均になることが試験でよく問われる。
6. 自然発火と粉塵爆発

自然発火の発熱機構

発熱機構 代表例
酸化による発熱 乾性油、原綿、石油、ゴム粉、鉄粉、亜鉛粉など
分解による発熱 セルロイド、ニトロセルロースなど
発酵による発熱 堆肥、干し草など
吸着による発熱 活性炭、木炭粉末など
重合反応熱 アクリロニトリルなど

乾性油

乾性油は空気中で酸化される際に発熱し、
熱が蓄積すると自然発火を起こすことがある。

二重結合(C=C)が酸化されることによって反応が進行する。
乾燥しやすい油ほど自然発火しやすい。

アマニ油

  • アマの種子から得られる乾性油
  • 塗料や印刷インキなどに利用される

ヨウ素価

油脂100gが吸収するヨウ素の質量(g)をヨウ素価という。
二重結合が多いほどヨウ素価は大きくなる。

分類 ヨウ素価 代表例
不乾性油 100以下 ヤシ油、オリーブ油、ヒマシ油
半乾性油 100〜130 ナタネ油、ゴマ油、大豆油、ニシン油
乾性油 130以上 アマニ油
ヨウ素価が大きいほど不飽和結合が多く、
乾きやすく自然発火もしやすい。

粉体

粉体とは、固体微粒子の集合体である。

  • セルロース
  • コルク
  • 粉ミルク

湿度や含水率が高いほど、
発熱・蓄熱が進み自然発火しやすくなる。

粉塵爆発

  • 最小着火エネルギーはガス爆発より大きい
  • 爆発時の発生エネルギーは大きい
  • 燃焼が持続しやすい
  • 不完全燃焼しやすい
粉末状になることで比表面積が増え、
急速な燃焼が起こることが粉塵爆発の原因である。

黄リン

  • 第3類危険物
  • 空気中で自然発火する
  • 水とはほとんど反応しないため水中保存する
7. 消火剤と消火効果

消火の四要素

消火原理 内容
除去消火 可燃物を取り除く
窒息消火 酸素を遮断する
冷却消火 温度を下げる
抑制効果 燃焼の連鎖反応を止める(負触媒効果)

火災の区分

区分 内容
A火災 普通火災
B火災 油火災
C火災 電気火災

水消火剤

  • 主な効果は冷却
  • 油火災は水噴霧・水蒸気で対応できる場合がある
  • 電気火災は霧状・噴霧状で対応できる場合がある

酸・アルカリ消火剤

  • 炭酸水素ナトリウムと硫酸を反応させる
  • 二酸化炭素の圧力で薬液を放射する
  • 冷却効果によって消火する
  • 普通火災専用

強化液消火剤

  • K₂CO₃水溶液
  • アルカリ性
  • 冷却効果+抑制効果
  • 噴霧状なら油火災・電気火災にも使用できる

一般泡消火剤

火災 効果
A火災 冷却+窒息
B火災 窒息
  • 化学泡:二酸化炭素を含む泡
  • 機械泡:空気を含む泡
  • 水溶性可燃液体には使用できない
  • 電気火災では感電の危険がある

耐アルコール泡消火剤

アルコールやアセトンなど、
水溶性危険物に使用できる。

化学泡消火器

炭酸水素ナトリウムと硫酸アルミニウムが反応して、
二酸化炭素を含む泡を放射する。

泡消火設備の種類や、ハロゲン化物・二酸化炭素・粉末消火剤などは試験頻出なので、次章で詳しくまとめる。

泡消火設備(第3種)

種類 特徴
蛋白泡消火剤 タンパク質を加水分解したものを基材とする。
泡が固く、耐熱性・耐火性・持続性に優れる。
流動性・展開性はやや劣る。
水成膜泡消火剤(AFFF) 合成界面活性剤を基材とし、
フッ素系界面活性剤を添加したもの。
油面上に水膜を形成して燃焼を抑える。
合成界面活性剤泡消火剤 炭化水素系界面活性剤が主成分。
起泡性・流動性・展開性に優れる。

ハロゲン化物消火剤

  • 主な消火原理は抑制効果(負触媒効果)
  • 燃焼の連鎖反応を停止させる
  • 金属火災には使用できない
  • 代表例は一臭化三フッ化メタン(ハロン1301)

ハロゲンは原子量が大きいほど
C−X結合が弱くなり、
火炎中でハロゲンラジカルを放出しやすいため、
燃焼抑制作用が強くなる。

二酸化炭素消火剤

  • 液化した二酸化炭素を充填する
  • 主な効果は窒息消火
  • 電気絶縁性が高い
  • 電気火災・油火災に適する
  • Mgなどの金属火災には使用できない

マグネシウムは二酸化炭素から酸素を奪って燃焼するため、
CO₂消火器では消火できない。

不活性ガス消火剤

二酸化炭素、窒素、アルゴンなどを利用し、
酸素濃度を下げることで窒息消火する。

粉末消火剤

  • 防湿のためシリコン樹脂などで表面処理されている
  • 抑制効果・窒息効果がある
  • 油火災・電気火災に使用できる
種類 特徴
リン酸二水素アンモニウム 淡紅色。
普通火災・油火災・電気火災に対応。
ABC粉末消火器に使用される。
炭酸水素ナトリウム 油火災・電気火災向け。
炭酸水素カリウム 紫色に着色される。
油火災・電気火災向け。

簡易消火用具

  • 水バケツ
  • 乾燥砂
  • 膨張ひる石
  • 膨張真珠岩

金属火災では乾燥砂がよく用いられる。

金属火災用消火剤

  • 乾燥塩化ナトリウム粉末
  • 塩化カリウム
  • 架橋剤を含む

燃焼物の表面をせんべい状に覆い、
空気を遮断して窒息消火する。

8. 静電気

静電気の発生

  • 絶縁抵抗が大きいほど静電気が発生しやすい
  • 一般に天然繊維より合成繊維の方が帯電しやすい

帯電列

(+)
ガラス

ナイロン

木綿

ポリエチレン

テフロン
(−)

帯電列で離れた物質同士ほど、
摩擦によって大きな静電気が発生しやすい。

導電率

導電率は抵抗率の逆数であり、
単位はS/m(ジーメンス毎メートル)で表す。

静電誘導

帯電体を導体へ近づけると、
導体内部で電荷が移動して帯電する現象。

誘電分極

帯電体を絶縁体へ近づけると、
分子内の電荷が偏る現象。

静電気の発生機構

  • 摩擦帯電
  • 接触帯電
  • 流動帯電
  • 破砕帯電
  • 噴出帯電
  • 誘導帯電

ボンディング

導線で物体同士を接続し、
電位差をなくして放電を防ぐ方法。

9. 化学の基礎

ファンデルワールス力

  • 分子半径が大きいほど強い
  • 電子雲が広がりやすくなるため
  • 同じ炭素数では枝分かれが多いほど弱い

枝分かれすると分子同士が接触しにくくなり、
ファンデルワールス力が小さくなる。

定比例の法則

化合物を構成する元素の質量比は一定である。

  • 提唱者:プルースト

倍数比例の法則

同じ二元素から複数の化合物ができるとき、
一方の元素の一定質量に対する
他方の元素の質量比は簡単な整数比となる。

  • 提唱者:ドルトン
10. 物質の三態

気液平衡

蒸発速度と凝縮速度が等しくなり、
見かけ上変化がなくなった状態。

塩化カルシウム

  • CaCl₂
  • 融雪剤
  • 凍結防止剤
  • 凝固点降下を利用する

蒸気圧降下

ラウールの法則より、
溶液の蒸気圧は各成分の蒸気圧の加重平均で表される。

不揮発性物質は蒸気圧を0と考えればよい。

蒸気圧が低下すると、
その結果として沸点上昇が起こる。

11. コロイド

コロイドとは

コロイドとは、
粒径がおよそ1〜数百nm程度の粒子が
他の物質中に分散している状態をいう。

コロイドの種類

種類 特徴
ゾル 流動性のあるコロイド
ゲル 流動性のないコロイド

コロイドの性質

名称 内容
チンダル現象 光を当てるとコロイド粒子で散乱し、
光の通り道が見える。
ブラウン運動 限外顕微鏡で観察すると、
粒子が不規則に運動しているように見える。
透析 半透膜を用いて、
コロイド溶液中の小さなイオンなどを除去し精製する方法。

凝析と塩析

現象 内容 代表例
凝析 疎水コロイドへ少量の電解質を加え、
粒子を凝集・沈殿させる。
水酸化鉄(III)コロイド
塩析 親水コロイドへ多量の電解質を加え、
沈殿させる。
タンパク質・デンプン

保護コロイド

疎水コロイドへ親水コロイドを加えると、
凝析しにくくなる。

保護コロイド
墨汁 にかわ
絵の具 アラビアゴム

保護コロイドは、
疎水コロイドの周囲を覆うことで
粒子同士が集まるのを防ぐ。

12. 金属の特性

軽金属・重金属

分類 特徴
軽金属 比重4〜5未満 Al、Mg、Ca
重金属 比重4〜5以上 Pb、Cu、Agなど

熱伝導率

熱伝導率 k は、
熱の伝わりやすさを表す。

熱伝導で伝わる熱量は

Q = kSΔTt / L

記号 意味
Q 熱量
k 熱伝導率
S 断面積
ΔT 温度差
t 時間
L 距離

金属結晶

構造 充填率 代表金属 特徴
体心立方格子 68% Fe、Na、K アルカリ金属に多い
面心立方格子 74% Al、Cu、Ag 展性・延性に富む
六方最密構造 74% Mg、Zn 最密充填構造
13. 定性分析

塩化物として沈殿

沈殿 色・特徴
AgCl 白色
PbCl₂ 白色・熱水に溶ける
Hg₂Cl₂ 白色

塩基性条件で硫化物として沈殿

元素 沈殿
Zn ZnS(白色)
Fe FeS
Ni NiS
Al 塩基性条件で沈殿

水酸化物沈殿

物質
Fe(OH)₂ 緑白色
Fe(OH)₃ 赤褐色
Al(OH)₃ 白色

炭酸塩沈殿

  • Ba
  • Ca
  • Sr
  • Pb

PbCl₂だけは熱水へ溶けることが頻出。

14. 酸・塩基・中和

滴定曲線

標準溶液を滴下した量と
pH変化の関係を表した曲線。

代表的な指示薬

指示薬 酸性 塩基性
メチルオレンジ
メチルレッド
チモールブルー BTBと同様の変色を示す 変色域はより塩基性側

試験では、
「酸性が赤、塩基性が黄」
をセットで覚える。

15. 金属のイオン化列

イオン化列とは

金属をイオンになりやすい順(電子を失いやすい順)に並べたものを
イオン化列という。

イオン化傾向が大きいほど酸化されやすく、
逆に還元剤として働きやすい。

代表的なイオン化列

Li > K > Ca > Na > Mg > Al > Zn > Fe > Ni > Sn > Pb >
(H) > Cu > Hg > Ag > Pt > Au

水との反応

金属 反応性
Li・Na・K・Ca 常温の水と激しく反応する
Mg 熱水と反応する
Al・Zn・Fe 高温の水蒸気と反応する

鉛(Pb)の特徴

鉛は塩酸や希硫酸にほとんど溶けない。

これは表面に難溶性の
塩化鉛(PbCl₂)
硫酸鉛(PbSO₄)
の保護膜が形成され、
反応が止まるためである。

16. 金属の腐食

腐食しやすい条件

  • 土質の異なる場所にまたがって埋設されている
  • イオン化傾向の小さい金属と接触している
  • 湿気や電解質が存在する

異種金属が接触すると、
イオン化傾向の大きい金属が先に腐食する。

迷走電流(電食)

本来流れるべき回路から外れ、
地中・水中・配管などへ漏れて流れる電流を
迷走電流という。

迷走電流によって起こる腐食を
電食という。

防食方法

方法 内容
塗装 エポキシ樹脂塗料などで空気や水を遮断する
犠牲陽極法 よりイオン化傾向の大きい金属を取り付ける
電気防食 外部電源を用いて腐食を防止する
17. 電池

一次電池

電池 負極 電解質 正極
マンガン乾電池 Zn ZnCl₂など MnO₂
アルカリマンガン乾電池 Zn KOH MnO₂
リチウム電池 Li LiClO₄など MnO₂
酸化銀電池 Zn KOH・NaOH Ag₂O
ボルタ電池 Zn 希硫酸 Cu

二次電池

電池 負極 電解質 正極
鉛蓄電池 Pb 希硫酸 PbO₂
ニッケル・カドミウム電池 Cd KOH NiO(OH)
ニッケル・水素電池 水素吸蔵合金 KOH NiO(OH)
リチウムイオン電池 Liを含む黒鉛 Li塩 LiCoO₂
ナトリウム・硫黄電池 Na β-アルミナ S

PbO₂は

  • 二酸化鉛
  • 酸化鉛(IV)
  • とも呼ばれる。

18. 反応速度と触媒

触媒とは

触媒とは、
反応速度を変化させるが、
反応前後で自らは変化しない物質である。

正触媒・負触媒

種類 作用
正触媒 反応速度を速める 一般的な触媒
負触媒 反応速度を遅くする ハロゲン化物消火剤

均一系触媒

触媒と反応物が同じ相に存在する触媒。

反応 触媒
過酸化水素の分解 Fe³⁺

不均一系触媒

触媒と反応物が異なる相に存在する触媒。

反応 触媒
過酸化水素の分解 MnO₂

危険物試験では

  • Fe³⁺ → 均一系触媒
  • MnO₂ → 不均一系触媒

が頻出である。

19. 気体の種類

水素(H₂)

項目 内容
燃焼 淡青色の炎で燃える
反応性 常温でもフッ素と反応してHFを生成する
密度 非常に軽い
性質 可燃性が高い

一酸化炭素(CO)

項目 内容
燃焼 淡青色の炎で燃える
水への溶解性 ほとんど溶けない
化学的性質 高温で強い還元性を示す
毒性 ヘモグロビンと結合して酸素運搬を妨げる

水素と一酸化炭素はどちらも
淡青色の炎
で燃えることを覚えておく。

20. 有機化合物の基礎

炭化水素の分類

分類 特徴
鎖式炭化水素 炭素原子が鎖状につながる
環式炭化水素 炭素原子が環状につながる
芳香族炭化水素 ベンゼン環をもつ
脂肪族炭化水素 ベンゼン環をもたない
脂環式炭化水素 環式だがベンゼン環をもたない

カルボニル基

アルデヒド基(−CHO)と
ケトン基(−CO−)に共通する
C=O
カルボニル基という。

カルボニル基をもつ化合物を
カルボニル化合物
という。

簡略構造式

価標の一部を省略し、
結合関係が分かる範囲で簡略化した構造式。

アルカン

炭素数 常温常圧での状態
1〜4 気体
5〜17 液体
18以上 固体

ブタン(C₄H₁₀)は常温では気体だが、
加圧すると容易に液化する。

アルカンのハロゲン化

アルカンへハロゲンを加え、
日光または紫外線を照射すると、
水素原子がハロゲンへ置換される。

ハロゲン 反応性
F₂ 非常に激しい
Cl₂ 激しい
Br₂ 比較的穏やか
I₂ ほとんど反応しない

エチレン

  • エタノールを濃硫酸で脱水すると得られる
  • Pt触媒下で水素付加するとエタンになる

アセチレン

項目 内容
色・臭い 無色・ほぼ無臭
燃焼 酸素アセチレン炎(高温)
製法 カーバイドと水を反応

CaC₂ + 2H₂O → C₂H₂ + Ca(OH)₂

アセチレンへの水の付加

アセチレンへ水を付加すると、

ビニルアルコール

アセトアルデヒド

へと異性化する。

「ビニルアルコールは安定に存在できず、
すぐアセトアルデヒドへ変化する」
ことは頻出事項である。

21. 脂肪族化合物

アルコール

アルコールは分子間で水素結合を形成するため、
同程度の分子量の炭化水素やエーテルより
融点・沸点が高い。

アルコールの反応

反応 生成物
Naとの反応 水素+ナトリウムアルコキシド
濃硫酸と加熱 脱水反応(条件によりエーテルまたはアルケン)

アルデヒド

アルデヒドは還元性をもち、
アンモニア性硝酸銀溶液で銀鏡反応を示す。

脂肪酸

脂肪酸とは、
鎖式炭化水素基にカルボキシ基が1個結合したカルボン酸である。

  • 炭素数が少ない:低級脂肪酸
  • 炭素数が多い:高級脂肪酸

酢酸

  • 融点:約17℃
  • 純度の高いものを氷酢酸という

硝酸エステル

硝酸(HO−NO₂)とアルコールから生成するエステル。

一般式

R−ONO₂

代表例:

  • 硝酸エチル
  • ニトログリセリン

油脂

高級脂肪酸とグリセリンからなるエステル。

分類 代表例
飽和脂肪酸 パルミチン酸・ステアリン酸
不飽和脂肪酸 オレイン酸・リノール酸・リノレン酸

油脂の性質

  • 炭素数が多いほど融点は高い
  • 二重結合が多いほど融点は低い

cis型二重結合により分子が密に並びにくくなり、
ファンデルワールス力が弱くなるため、
融点が低下する。

硬化油

液体の油脂へNi触媒下で水素を付加し、
固体へ変えたもの。

マーガリンの原料として利用される。

石けん

油脂をNaOHでけん化すると、

  • 脂肪酸ナトリウム(石けん)
  • グリセリン

が生成する。

石けんが形成するコロイド粒子を
ミセルという。

22. 芳香族化合物

代表的な芳香族化合物

物質 特徴
ベンゼン 無色液体・特有の臭気
トルエン シンナーの主成分
ナフタレン 昇華性・防虫剤

ベンゼンの反応

反応 条件 生成物
ハロゲン化 鉄粉触媒 ハロゲン化ベンゼン
ニトロ化 混酸 ニトロベンゼン
スルホン化 濃硫酸・加熱 ベンゼンスルホン酸

フェノール

  • 石炭酸ともいう
  • 無色結晶
  • 殺菌作用・腐食作用をもつ
  • 弱酸性

フェノールの反応

反応 生成物
NaOH ナトリウムフェノキシド
無水酢酸 酢酸フェニル
混酸 ピクリン酸

フェノールは酢酸とは反応しないが、
無水酢酸とはエステル化する。

23. 高分子材料

重合反応

種類 特徴
共重合 2種類以上の単量体で重合する
縮合重合 水などの小分子を取り除きながら重合する
付加縮合 付加反応と縮合反応を繰り返す

熱可塑性樹脂

樹脂 用途
ポリエチレン フィルム・容器
ポリプロピレン 容器・キャップ
ポリスチレン 断熱材・緩衝材
ポリ塩化ビニル パイプ・シート

熱硬化性樹脂

樹脂 原料
フェノール樹脂(ベークライト) フェノール+ホルムアルデヒド
尿素樹脂 尿素+ホルムアルデヒド
メラミン樹脂 メラミン+ホルムアルデヒド

尿素樹脂・メラミン樹脂を合わせて
アミノ樹脂
という。

ポリウレタン

イソシアネート基(−N=C=O)と
水酸基(−OH)の付加反応によって合成される。

熱可塑性樹脂は加熱すると軟化し、
熱硬化性樹脂は架橋構造を形成するため、
再加熱しても軟化しない。