危険物取扱者試験・物理化学対策
- 2026.07.19
- 試験
はじめに
危険物取扱者試験の物理化学分野で、やや発展的な内容も含めて知識をまとめてみました。高校物理、高校化学は既習想定で、忘れやすい内容などを再度まとめているため、網羅性は無いです。
1. 燃焼の化学
無炎燃焼
無炎燃焼とは、炎を伴わずに進行する燃焼で、燻焼ともいう。
たばこや線香などで見られ、主に固体で起こる。
酸素濃度が低い条件でも起こることがある。
燃焼の三要素
- 可燃性物質
- 酸素供給体
- 点火源
着火しやすさ
- 最小着火エネルギーが小さい物質ほど着火しやすい。
- 体膨張率は、燃焼のしやすさとは直接関係しない。
爆発の分類
| 分類 | 特徴 |
|---|---|
| 物理的爆発 | 化学反応を伴わず、圧力の急上昇などの物理的変化によって起こる。 |
| 化学的爆発 | 燃焼や分解などの化学反応によって、急激に熱やガスが発生して起こる。 |
ハロゲンと燃焼
ハロゲン化物は、火炎中の連鎖反応を抑制することで燃焼を抑える。
この作用は、消火剤の抑制効果、または負触媒効果として利用される。
ガスの分解爆発
| 物質 | 分解反応式 |
|---|---|
| アセチレン | C₂H₂ → 2C + H₂ |
| エチレン | C₂H₄ → C + CH₄ |
| 酸化エチレン | C₂H₄O → CO + CH₄ |
これらの物質は、空気や酸素が十分になくても、物質自体が分解することで爆発することがある。
2. 燃焼の区分・燃焼範囲
燃焼範囲
燃焼範囲とは、可燃性ガスまたは可燃性蒸気が空気と混合したときに、
燃焼が可能となる濃度の範囲をいう。
爆発現象については、爆発範囲ともいう。
通常は、容量百分率または体積百分率である
vol%で表す。
燃焼限界
燃焼範囲の下側の境界を下限界、上側の境界を上限界という。
- 下限界より濃度が低い場合、可燃性物質が不足して燃焼しない。
- 上限界より濃度が高い場合、酸素が不足して燃焼しない。
引火点
引火点とは、液体から発生した蒸気が空気中で燃焼下限界の濃度に達し、
点火源を近づけたときに一瞬燃焼する最低温度である。
ガソリンの例
| 項目 | 値 |
|---|---|
| 燃焼範囲 | 約1.4〜7.6 vol% |
| 引火点 | −40℃以下 |
予混合燃焼と拡散燃焼
| 燃焼方式 | 特徴 |
|---|---|
| 予混合燃焼 | 可燃性ガスと空気を、燃焼前にあらかじめ混合しておく。 |
| 拡散燃焼 | 可燃性ガスが空気中へ拡散し、燃焼しながら混合する。 |
液体の燃焼
液体は、液体そのものが直接燃えるのではなく、
液面から蒸発した可燃性蒸気が燃焼する。
これを蒸発燃焼という。
固体の燃焼
| 燃焼方式 | 特徴 | 代表例 |
|---|---|---|
| 表面燃焼 | 固体表面で直接燃焼する。 | 木炭、コークス、金属粉 |
| 蒸発燃焼 | 固体が昇華または蒸発し、発生した蒸気が燃焼する。 | 硫黄、ナフタレン |
| 分解燃焼 | 熱分解によって生じた可燃性ガスが燃焼する。 | 木材、石炭、紙、プラスチック |
| 自己燃焼 | 物質内部に含まれる酸素を利用して燃焼する。内部燃焼ともいう。 | セルロイド、ニトロセルロース、第5類危険物 |
3. 比表面積・化学反応式
比表面積
比表面積とは、単位質量あたりの表面積をいう。
同じ質量であれば、粒子が細かいほど全体の表面積は大きくなり、
比表面積も大きくなる。
- 粒子が細かいほど空気と接触する面積が増える。
- 比表面積が大きいほど、一般に酸化や燃焼の反応速度が大きくなる。
- 粉末状の物質は、塊状の物質より燃焼しやすい。
アボガドロの法則
同じ温度、同じ圧力では、同じ体積の気体には同じ数の分子が含まれる。
気体反応の考え方
例えば、水素と酸素の反応は次のように表される。
2H₂ + O₂ → 2H₂O
反応前後がすべて気体で、温度と圧力が同じであれば、
体積比もおおむね
2:1:2
として考えられる。
4. 主な引火性液体の性状
比重
比重とは、水を基準とした密度の比である。
主に固体や液体について用いる。
- 比重が1より小さい液体は水に浮きやすい。
- 比重が1より大きい液体は水に沈みやすい。
蒸気比重
蒸気比重とは、空気を基準とした気体または蒸気の密度の比である。
- 蒸気比重が1より大きい蒸気は、低い場所に滞留しやすい。
- 蒸気比重が1より小さい気体は、上方へ拡散しやすい。
引火点・燃焼点・発火点
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| 引火点 | 点火源を近づけたとき、一瞬燃焼する最低温度。 |
| 燃焼点 | 点火後、燃焼を継続できる最低温度。 |
| 発火点 | 点火源がなくても、自ら燃焼を開始する最低温度。 |
引火点 < 燃焼点 < 発火点
引火点と燃焼点の違い
引火点では、液体から発生した蒸気が一瞬燃えるだけで、
火を遠ざけると燃焼が止まることがある。
燃焼点では、点火後も可燃性蒸気の発生が続くため、
燃焼を継続できる。
5. 混合ガスの燃焼下限界
ルシャトリエの法則
混合ガスの燃焼下限界は、ルシャトリエの法則によって求められる。
これは各成分の燃焼下限界の加重調和平均となる。
1/L = y₁/L₁ + y₂/L₂ + …
- L:混合ガスの燃焼下限界
- y:各ガスの混合割合
- L:各ガス単独の燃焼下限界
計算例
燃焼下限界5%と10%のガスを1:1で混合した場合
1/x = 0.5/5 + 0.5/10
= 0.10 + 0.05
=0.15
x ≒ 6.7%
6. 自然発火と粉塵爆発
自然発火の発熱機構
| 発熱機構 | 代表例 |
|---|---|
| 酸化による発熱 | 乾性油、原綿、石油、ゴム粉、鉄粉、亜鉛粉など |
| 分解による発熱 | セルロイド、ニトロセルロースなど |
| 発酵による発熱 | 堆肥、干し草など |
| 吸着による発熱 | 活性炭、木炭粉末など |
| 重合反応熱 | アクリロニトリルなど |
乾性油
乾性油は空気中で酸化される際に発熱し、
熱が蓄積すると自然発火を起こすことがある。
二重結合(C=C)が酸化されることによって反応が進行する。
乾燥しやすい油ほど自然発火しやすい。
アマニ油
- アマの種子から得られる乾性油
- 塗料や印刷インキなどに利用される
ヨウ素価
油脂100gが吸収するヨウ素の質量(g)をヨウ素価という。
二重結合が多いほどヨウ素価は大きくなる。
| 分類 | ヨウ素価 | 代表例 |
|---|---|---|
| 不乾性油 | 100以下 | ヤシ油、オリーブ油、ヒマシ油 |
| 半乾性油 | 100〜130 | ナタネ油、ゴマ油、大豆油、ニシン油 |
| 乾性油 | 130以上 | アマニ油 |
乾きやすく自然発火もしやすい。
粉体
粉体とは、固体微粒子の集合体である。
- セルロース
- コルク
- 粉ミルク
湿度や含水率が高いほど、
発熱・蓄熱が進み自然発火しやすくなる。
粉塵爆発
- 最小着火エネルギーはガス爆発より大きい
- 爆発時の発生エネルギーは大きい
- 燃焼が持続しやすい
- 不完全燃焼しやすい
急速な燃焼が起こることが粉塵爆発の原因である。
黄リン
- 第3類危険物
- 空気中で自然発火する
- 水とはほとんど反応しないため水中保存する
7. 消火剤と消火効果
消火の四要素
| 消火原理 | 内容 |
|---|---|
| 除去消火 | 可燃物を取り除く |
| 窒息消火 | 酸素を遮断する |
| 冷却消火 | 温度を下げる |
| 抑制効果 | 燃焼の連鎖反応を止める(負触媒効果) |
火災の区分
| 区分 | 内容 |
|---|---|
| A火災 | 普通火災 |
| B火災 | 油火災 |
| C火災 | 電気火災 |
水消火剤
- 主な効果は冷却
- 油火災は水噴霧・水蒸気で対応できる場合がある
- 電気火災は霧状・噴霧状で対応できる場合がある
酸・アルカリ消火剤
- 炭酸水素ナトリウムと硫酸を反応させる
- 二酸化炭素の圧力で薬液を放射する
- 冷却効果によって消火する
- 普通火災専用
強化液消火剤
- K₂CO₃水溶液
- アルカリ性
- 冷却効果+抑制効果
- 噴霧状なら油火災・電気火災にも使用できる
一般泡消火剤
| 火災 | 効果 |
|---|---|
| A火災 | 冷却+窒息 |
| B火災 | 窒息 |
- 化学泡:二酸化炭素を含む泡
- 機械泡:空気を含む泡
- 水溶性可燃液体には使用できない
- 電気火災では感電の危険がある
耐アルコール泡消火剤
アルコールやアセトンなど、
水溶性危険物に使用できる。
化学泡消火器
炭酸水素ナトリウムと硫酸アルミニウムが反応して、
二酸化炭素を含む泡を放射する。
泡消火設備(第3種)
| 種類 | 特徴 |
|---|---|
| 蛋白泡消火剤 |
タンパク質を加水分解したものを基材とする。 泡が固く、耐熱性・耐火性・持続性に優れる。 流動性・展開性はやや劣る。 |
| 水成膜泡消火剤(AFFF) |
合成界面活性剤を基材とし、 フッ素系界面活性剤を添加したもの。 油面上に水膜を形成して燃焼を抑える。 |
| 合成界面活性剤泡消火剤 |
炭化水素系界面活性剤が主成分。 起泡性・流動性・展開性に優れる。 |
ハロゲン化物消火剤
- 主な消火原理は抑制効果(負触媒効果)
- 燃焼の連鎖反応を停止させる
- 金属火災には使用できない
- 代表例は一臭化三フッ化メタン(ハロン1301)
ハロゲンは原子量が大きいほど
C−X結合が弱くなり、
火炎中でハロゲンラジカルを放出しやすいため、
燃焼抑制作用が強くなる。
二酸化炭素消火剤
- 液化した二酸化炭素を充填する
- 主な効果は窒息消火
- 電気絶縁性が高い
- 電気火災・油火災に適する
- Mgなどの金属火災には使用できない
マグネシウムは二酸化炭素から酸素を奪って燃焼するため、
CO₂消火器では消火できない。
不活性ガス消火剤
二酸化炭素、窒素、アルゴンなどを利用し、
酸素濃度を下げることで窒息消火する。
粉末消火剤
- 防湿のためシリコン樹脂などで表面処理されている
- 抑制効果・窒息効果がある
- 油火災・電気火災に使用できる
| 種類 | 特徴 |
|---|---|
| リン酸二水素アンモニウム |
淡紅色。 普通火災・油火災・電気火災に対応。 ABC粉末消火器に使用される。 |
| 炭酸水素ナトリウム | 油火災・電気火災向け。 |
| 炭酸水素カリウム |
紫色に着色される。 油火災・電気火災向け。 |
簡易消火用具
- 水バケツ
- 乾燥砂
- 膨張ひる石
- 膨張真珠岩
金属火災では乾燥砂がよく用いられる。
金属火災用消火剤
- 乾燥塩化ナトリウム粉末
- 塩化カリウム
- 架橋剤を含む
燃焼物の表面をせんべい状に覆い、
空気を遮断して窒息消火する。
8. 静電気
静電気の発生
- 絶縁抵抗が大きいほど静電気が発生しやすい
- 一般に天然繊維より合成繊維の方が帯電しやすい
帯電列
(+)
ガラス
>
ナイロン
>
木綿
>
ポリエチレン
>
テフロン
(−)
帯電列で離れた物質同士ほど、
摩擦によって大きな静電気が発生しやすい。
導電率
導電率は抵抗率の逆数であり、
単位はS/m(ジーメンス毎メートル)で表す。
静電誘導
帯電体を導体へ近づけると、
導体内部で電荷が移動して帯電する現象。
誘電分極
帯電体を絶縁体へ近づけると、
分子内の電荷が偏る現象。
静電気の発生機構
- 摩擦帯電
- 接触帯電
- 流動帯電
- 破砕帯電
- 噴出帯電
- 誘導帯電
ボンディング
導線で物体同士を接続し、
電位差をなくして放電を防ぐ方法。
9. 化学の基礎
ファンデルワールス力
- 分子半径が大きいほど強い
- 電子雲が広がりやすくなるため
- 同じ炭素数では枝分かれが多いほど弱い
枝分かれすると分子同士が接触しにくくなり、
ファンデルワールス力が小さくなる。
定比例の法則
化合物を構成する元素の質量比は一定である。
- 提唱者:プルースト
倍数比例の法則
同じ二元素から複数の化合物ができるとき、
一方の元素の一定質量に対する
他方の元素の質量比は簡単な整数比となる。
- 提唱者:ドルトン
10. 物質の三態
気液平衡
蒸発速度と凝縮速度が等しくなり、
見かけ上変化がなくなった状態。
塩化カルシウム
- CaCl₂
- 融雪剤
- 凍結防止剤
- 凝固点降下を利用する
蒸気圧降下
ラウールの法則より、
溶液の蒸気圧は各成分の蒸気圧の加重平均で表される。
不揮発性物質は蒸気圧を0と考えればよい。
蒸気圧が低下すると、
その結果として沸点上昇が起こる。
11. コロイド
コロイドとは
コロイドとは、
粒径がおよそ1〜数百nm程度の粒子が
他の物質中に分散している状態をいう。
コロイドの種類
| 種類 | 特徴 |
|---|---|
| ゾル | 流動性のあるコロイド |
| ゲル | 流動性のないコロイド |
コロイドの性質
| 名称 | 内容 |
|---|---|
| チンダル現象 |
光を当てるとコロイド粒子で散乱し、 光の通り道が見える。 |
| ブラウン運動 |
限外顕微鏡で観察すると、 粒子が不規則に運動しているように見える。 |
| 透析 |
半透膜を用いて、 コロイド溶液中の小さなイオンなどを除去し精製する方法。 |
凝析と塩析
| 現象 | 内容 | 代表例 |
|---|---|---|
| 凝析 |
疎水コロイドへ少量の電解質を加え、 粒子を凝集・沈殿させる。 |
水酸化鉄(III)コロイド |
| 塩析 |
親水コロイドへ多量の電解質を加え、 沈殿させる。 |
タンパク質・デンプン |
保護コロイド
疎水コロイドへ親水コロイドを加えると、
凝析しにくくなる。
| 例 | 保護コロイド |
|---|---|
| 墨汁 | にかわ |
| 絵の具 | アラビアゴム |
保護コロイドは、
疎水コロイドの周囲を覆うことで
粒子同士が集まるのを防ぐ。
12. 金属の特性
軽金属・重金属
| 分類 | 特徴 | 例 |
|---|---|---|
| 軽金属 | 比重4〜5未満 | Al、Mg、Ca |
| 重金属 | 比重4〜5以上 | Pb、Cu、Agなど |
熱伝導率
熱伝導率 k は、
熱の伝わりやすさを表す。
熱伝導で伝わる熱量は
Q = kSΔTt / L
| 記号 | 意味 |
|---|---|
| Q | 熱量 |
| k | 熱伝導率 |
| S | 断面積 |
| ΔT | 温度差 |
| t | 時間 |
| L | 距離 |
金属結晶
| 構造 | 充填率 | 代表金属 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 体心立方格子 | 68% | Fe、Na、K | アルカリ金属に多い |
| 面心立方格子 | 74% | Al、Cu、Ag | 展性・延性に富む |
| 六方最密構造 | 74% | Mg、Zn | 最密充填構造 |
13. 定性分析
塩化物として沈殿
| 沈殿 | 色・特徴 |
|---|---|
| AgCl | 白色 |
| PbCl₂ | 白色・熱水に溶ける |
| Hg₂Cl₂ | 白色 |
塩基性条件で硫化物として沈殿
| 元素 | 沈殿 |
|---|---|
| Zn | ZnS(白色) |
| Fe | FeS |
| Ni | NiS |
| Al | 塩基性条件で沈殿 |
水酸化物沈殿
| 物質 | 色 |
|---|---|
| Fe(OH)₂ | 緑白色 |
| Fe(OH)₃ | 赤褐色 |
| Al(OH)₃ | 白色 |
炭酸塩沈殿
- Ba
- Ca
- Sr
- Pb
PbCl₂だけは熱水へ溶けることが頻出。
14. 酸・塩基・中和
滴定曲線
標準溶液を滴下した量と
pH変化の関係を表した曲線。
代表的な指示薬
| 指示薬 | 酸性 | 塩基性 |
|---|---|---|
| メチルオレンジ | 赤 | 黄 |
| メチルレッド | 赤 | 黄 |
| チモールブルー | BTBと同様の変色を示す | 変色域はより塩基性側 |
試験では、
「酸性が赤、塩基性が黄」
をセットで覚える。
15. 金属のイオン化列
イオン化列とは
金属をイオンになりやすい順(電子を失いやすい順)に並べたものを
イオン化列という。
イオン化傾向が大きいほど酸化されやすく、
逆に還元剤として働きやすい。
代表的なイオン化列
Li > K > Ca > Na > Mg > Al > Zn > Fe > Ni > Sn > Pb >
(H) > Cu > Hg > Ag > Pt > Au
水との反応
| 金属 | 反応性 |
|---|---|
| Li・Na・K・Ca | 常温の水と激しく反応する |
| Mg | 熱水と反応する |
| Al・Zn・Fe | 高温の水蒸気と反応する |
鉛(Pb)の特徴
鉛は塩酸や希硫酸にほとんど溶けない。
これは表面に難溶性の
塩化鉛(PbCl₂)、
硫酸鉛(PbSO₄)
の保護膜が形成され、
反応が止まるためである。
16. 金属の腐食
腐食しやすい条件
- 土質の異なる場所にまたがって埋設されている
- イオン化傾向の小さい金属と接触している
- 湿気や電解質が存在する
異種金属が接触すると、
イオン化傾向の大きい金属が先に腐食する。
迷走電流(電食)
本来流れるべき回路から外れ、
地中・水中・配管などへ漏れて流れる電流を
迷走電流という。
迷走電流によって起こる腐食を
電食という。
防食方法
| 方法 | 内容 |
|---|---|
| 塗装 | エポキシ樹脂塗料などで空気や水を遮断する |
| 犠牲陽極法 | よりイオン化傾向の大きい金属を取り付ける |
| 電気防食 | 外部電源を用いて腐食を防止する |
17. 電池
一次電池
| 電池 | 負極 | 電解質 | 正極 |
|---|---|---|---|
| マンガン乾電池 | Zn | ZnCl₂など | MnO₂ |
| アルカリマンガン乾電池 | Zn | KOH | MnO₂ |
| リチウム電池 | Li | LiClO₄など | MnO₂ |
| 酸化銀電池 | Zn | KOH・NaOH | Ag₂O |
| ボルタ電池 | Zn | 希硫酸 | Cu |
二次電池
| 電池 | 負極 | 電解質 | 正極 |
|---|---|---|---|
| 鉛蓄電池 | Pb | 希硫酸 | PbO₂ |
| ニッケル・カドミウム電池 | Cd | KOH | NiO(OH) |
| ニッケル・水素電池 | 水素吸蔵合金 | KOH | NiO(OH) |
| リチウムイオン電池 | Liを含む黒鉛 | Li塩 | LiCoO₂ |
| ナトリウム・硫黄電池 | Na | β-アルミナ | S |
PbO₂は
- 二酸化鉛
- 酸化鉛(IV)
とも呼ばれる。
18. 反応速度と触媒
触媒とは
触媒とは、
反応速度を変化させるが、
反応前後で自らは変化しない物質である。
正触媒・負触媒
| 種類 | 作用 | 例 |
|---|---|---|
| 正触媒 | 反応速度を速める | 一般的な触媒 |
| 負触媒 | 反応速度を遅くする | ハロゲン化物消火剤 |
均一系触媒
触媒と反応物が同じ相に存在する触媒。
| 反応 | 触媒 |
|---|---|
| 過酸化水素の分解 | Fe³⁺ |
不均一系触媒
触媒と反応物が異なる相に存在する触媒。
| 反応 | 触媒 |
|---|---|
| 過酸化水素の分解 | MnO₂ |
危険物試験では
- Fe³⁺ → 均一系触媒
- MnO₂ → 不均一系触媒
が頻出である。
19. 気体の種類
水素(H₂)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 燃焼 | 淡青色の炎で燃える |
| 反応性 | 常温でもフッ素と反応してHFを生成する |
| 密度 | 非常に軽い |
| 性質 | 可燃性が高い |
一酸化炭素(CO)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 燃焼 | 淡青色の炎で燃える |
| 水への溶解性 | ほとんど溶けない |
| 化学的性質 | 高温で強い還元性を示す |
| 毒性 | ヘモグロビンと結合して酸素運搬を妨げる |
水素と一酸化炭素はどちらも
淡青色の炎
で燃えることを覚えておく。
20. 有機化合物の基礎
炭化水素の分類
| 分類 | 特徴 |
|---|---|
| 鎖式炭化水素 | 炭素原子が鎖状につながる |
| 環式炭化水素 | 炭素原子が環状につながる |
| 芳香族炭化水素 | ベンゼン環をもつ |
| 脂肪族炭化水素 | ベンゼン環をもたない |
| 脂環式炭化水素 | 環式だがベンゼン環をもたない |
カルボニル基
アルデヒド基(−CHO)と
ケトン基(−CO−)に共通する
C=Oを
カルボニル基という。
カルボニル基をもつ化合物を
カルボニル化合物
という。
簡略構造式
価標の一部を省略し、
結合関係が分かる範囲で簡略化した構造式。
アルカン
| 炭素数 | 常温常圧での状態 |
|---|---|
| 1〜4 | 気体 |
| 5〜17 | 液体 |
| 18以上 | 固体 |
ブタン(C₄H₁₀)は常温では気体だが、
加圧すると容易に液化する。
アルカンのハロゲン化
アルカンへハロゲンを加え、
日光または紫外線を照射すると、
水素原子がハロゲンへ置換される。
| ハロゲン | 反応性 |
|---|---|
| F₂ | 非常に激しい |
| Cl₂ | 激しい |
| Br₂ | 比較的穏やか |
| I₂ | ほとんど反応しない |
エチレン
- エタノールを濃硫酸で脱水すると得られる
- Pt触媒下で水素付加するとエタンになる
アセチレン
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 色・臭い | 無色・ほぼ無臭 |
| 燃焼 | 酸素アセチレン炎(高温) |
| 製法 | カーバイドと水を反応 |
CaC₂ + 2H₂O → C₂H₂ + Ca(OH)₂
アセチレンへの水の付加
アセチレンへ水を付加すると、
ビニルアルコール
↓
アセトアルデヒド
へと異性化する。
「ビニルアルコールは安定に存在できず、
すぐアセトアルデヒドへ変化する」
ことは頻出事項である。
21. 脂肪族化合物
アルコール
アルコールは分子間で水素結合を形成するため、
同程度の分子量の炭化水素やエーテルより
融点・沸点が高い。
アルコールの反応
| 反応 | 生成物 |
|---|---|
| Naとの反応 | 水素+ナトリウムアルコキシド |
| 濃硫酸と加熱 | 脱水反応(条件によりエーテルまたはアルケン) |
アルデヒド
アルデヒドは還元性をもち、
アンモニア性硝酸銀溶液で銀鏡反応を示す。
脂肪酸
脂肪酸とは、
鎖式炭化水素基にカルボキシ基が1個結合したカルボン酸である。
- 炭素数が少ない:低級脂肪酸
- 炭素数が多い:高級脂肪酸
酢酸
- 融点:約17℃
- 純度の高いものを氷酢酸という
硝酸エステル
硝酸(HO−NO₂)とアルコールから生成するエステル。
一般式
R−ONO₂
代表例:
- 硝酸エチル
- ニトログリセリン
油脂
高級脂肪酸とグリセリンからなるエステル。
| 分類 | 代表例 |
|---|---|
| 飽和脂肪酸 | パルミチン酸・ステアリン酸 |
| 不飽和脂肪酸 | オレイン酸・リノール酸・リノレン酸 |
油脂の性質
- 炭素数が多いほど融点は高い
- 二重結合が多いほど融点は低い
cis型二重結合により分子が密に並びにくくなり、
ファンデルワールス力が弱くなるため、
融点が低下する。
硬化油
液体の油脂へNi触媒下で水素を付加し、
固体へ変えたもの。
マーガリンの原料として利用される。
石けん
油脂をNaOHでけん化すると、
- 脂肪酸ナトリウム(石けん)
- グリセリン
が生成する。
石けんが形成するコロイド粒子を
ミセルという。
22. 芳香族化合物
代表的な芳香族化合物
| 物質 | 特徴 |
|---|---|
| ベンゼン | 無色液体・特有の臭気 |
| トルエン | シンナーの主成分 |
| ナフタレン | 昇華性・防虫剤 |
ベンゼンの反応
| 反応 | 条件 | 生成物 |
|---|---|---|
| ハロゲン化 | 鉄粉触媒 | ハロゲン化ベンゼン |
| ニトロ化 | 混酸 | ニトロベンゼン |
| スルホン化 | 濃硫酸・加熱 | ベンゼンスルホン酸 |
フェノール
- 石炭酸ともいう
- 無色結晶
- 殺菌作用・腐食作用をもつ
- 弱酸性
フェノールの反応
| 反応 | 生成物 |
|---|---|
| NaOH | ナトリウムフェノキシド |
| 無水酢酸 | 酢酸フェニル |
| 混酸 | ピクリン酸 |
フェノールは酢酸とは反応しないが、
無水酢酸とはエステル化する。
23. 高分子材料
重合反応
| 種類 | 特徴 |
|---|---|
| 共重合 | 2種類以上の単量体で重合する |
| 縮合重合 | 水などの小分子を取り除きながら重合する |
| 付加縮合 | 付加反応と縮合反応を繰り返す |
熱可塑性樹脂
| 樹脂 | 用途 |
|---|---|
| ポリエチレン | フィルム・容器 |
| ポリプロピレン | 容器・キャップ |
| ポリスチレン | 断熱材・緩衝材 |
| ポリ塩化ビニル | パイプ・シート |
熱硬化性樹脂
| 樹脂 | 原料 |
|---|---|
| フェノール樹脂(ベークライト) | フェノール+ホルムアルデヒド |
| 尿素樹脂 | 尿素+ホルムアルデヒド |
| メラミン樹脂 | メラミン+ホルムアルデヒド |
尿素樹脂・メラミン樹脂を合わせて
アミノ樹脂
という。
ポリウレタン
イソシアネート基(−N=C=O)と
水酸基(−OH)の付加反応によって合成される。
熱可塑性樹脂は加熱すると軟化し、
熱硬化性樹脂は架橋構造を形成するため、
再加熱しても軟化しない。
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