高校金融のまとめ
- 2025.12.29
- 金融解説
高校での金融教育が始まりました。高校で習う知識のうち、重要なものをまとめました。
高校金融教育まとめ
1. 年齢とできること
18歳で成人になる(成年年齢)
18歳になると「成人」となり、多くの契約行為が
親の同意なしで行えるようになります。
- 契約はすべて自己責任になる
- クレジットカード・ローンなどは、別途審査が必要
年齢ごとの主な事項
| 年齢 | できること |
|---|---|
| 18歳以上 |
親の同意なしの契約/10年パスポート/結婚/選挙権/国家資格取得/ 性別変更の審判申立て/普通自動車免許 |
| 20歳以上 |
飲酒・喫煙/競馬などの公営ギャンブル/養子を迎える/ 大型・中型自動車免許 |
※飲酒・喫煙は健康被害および法律上の理由から20歳以上に制限されています。
3. ライフデザイン・ライフプランニング
ライフデザイン/ライフプランニングとは、人生の設計図を考えることです。
- 仕事・結婚・子育て・教育・住居・老後などのライフイベントを考える
- 将来の収入と支出を見通し、貯蓄・保険・投資などの計画を立てる
4. 人生の三大費用
| 費用 | 内容 |
|---|---|
| 教育費 | 幼稚園~大学など、子どもの進学にかかる費用 |
| 住宅費 | 家賃・住宅購入・ローン返済・修繕費など |
| 老後資金 | 退職後の生活費・医療費・介護費用など |
これらの費用に備えるために、計画的な貯蓄・保険・投資が重要になります。
5. 社会保険(5つ)
| 分類 | 目的 |
|---|---|
| 医療保険 | 病気やけがの治療費の負担を軽減する |
| 年金保険 | 老後・障害・遺族に対する所得保障 |
| 介護保険 | 介護サービスの費用を社会全体で支える |
| 雇用保険 | 失業したときの生活を一定程度保障する |
| 労災保険 | 仕事中や通勤中のけが・病気などへの補償 |
6. ニーズとウォンツ
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| ニーズ(needs) | 生活に必要なもの(衣食住など、生きていくうえで欠かせないもの) |
| ウォンツ(wants) | あったら便利・快適・楽しいなど、「欲しいもの」 |
家計管理では、まずニーズを優先し、ウォンツは収入や貯蓄に応じて計画的に使うことが大切です。
7. 単利と複利
| 用語 | 特徴 |
|---|---|
| 単利 | 元本(最初に預けたお金)のみに利息がつく方式 |
| 複利 |
元本だけでなく、これまでに発生した利息にも利息がつく方式( 雪だるま式に増える) |
投資や貯蓄では、長期間になるほど複利の効果が大きくなります。
8. 金融商品の3つの性格
| 性格 | 内容 | 例 |
|---|---|---|
| 安全性 | 元本が減りにくいかどうか | 預金(特に元本保証のもの) |
| 流動性 | 現金に換えやすいか(引き出しやすいか) | 普通預金など |
| 収益性 | どれだけ利益(利息・配当・値上がり)が期待できるか | 株式・投資信託など |
安全性・流動性・収益性は同時に高くしにくい性質があり、どれを重視するかのバランスが重要です。
9. ESG投資
ESG投資とは、次の3つの観点を重視して行う投資です。
- Environment(環境):環境保全、CO₂削減、再生可能エネルギーなど
- Social(社会):労働環境、人権、地域社会への貢献など
- Governance(企業統治):不正防止、情報開示、経営の透明性など
企業の利益だけでなく、社会や環境への影響を考慮した「持続可能な投資」として注目されています。
10. NISAとiDeCo
| 制度 | 内容 | 注意点 |
|---|---|---|
| NISA(少額投資非課税制度) | 一定枠内の投資から得られる利益が非課税になる制度 | 途中売却や引き出しは比較的自由に可能 |
| iDeCo(個人型確定拠出年金) | 自分で掛金を出し、自分で運用する年金制度。掛金が所得控除となるなど税制優遇がある | 原則60歳まで引き出し不可(老後資金専用) |
どちらも老後資金づくりに役立つ制度ですが、資金の使い道や引き出しのしやすさが異なります。
11. 契約トラブルと法律
| 内容 | 根拠法 |
|---|---|
| 未成年者の契約の取消 | 民法 |
| 不当な契約・勧誘の取消 | 消費者契約法 |
| クーリング・オフ制度 | 特定商取引法 |
クーリング・オフ制度により、訪問販売や電話勧誘販売などでは一定期間内であれば契約を無条件で解除できますが、
通信販売は対象外である点に注意が必要です。
12. 困ったときの相談先
悪質商法・高額な契約・しつこい勧誘など、消費者トラブルで困ったときは、
📞 消費者ホットライン:188(いやや)
一人で悩まず、早めに専門機関に相談することが大切です。
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2. 社会保険と保険料の支払い開始