基礎医学の知識まとめ(CBTレベル)

NO IMAGE

はじめに

本記事では、医学部CBTレベルで高得点を目指すのに必要であろう知識をまとめています。私自身の知識整理も兼ねているので体系的ではありません。

細胞生物学

タンパク質修飾

アセチル化アセチル基(-COCH3が付加されること。逆に、アセチル基が取り除かれることを脱アセチル化という。ヒストンのアセチル化がよく知られており、ヒストンのアセチル化はヒストン-DNA間の結合を部分的に弱めることで、転写を活性化させる。

グリコシル化糖鎖が共有結合的に付加されること。その結合様式によりN-結合型グリコシル化O-結合型グリコシル化がある。主な機能として、タンパク質の折りたたみ(フォールディング)に関わる。

脂質修飾:主に4つに分類され、脂肪酸アシル化プレニル化GPI(グリコホスファチジルイノシトール)化コレステロール化がある。脂肪酸アシル化の例として、16炭素鎖飽和脂肪酸であるパルミチン酸がシステイン残基に付加されるS-パルミトイル化や14炭素鎖飽和脂肪酸であるミリスチン酸がN末端グリシンに付加されるN-ミリストイル化がある。プレニル化ではプレニル基(炭素数5のイソプレン単位で構成される構造単位)が付加される。

ホルミル化ホルミル基(-C(=O)-H)が付加されること。細菌、ミトコンドリア、葉緑体のタンパク質合成では、開始物質としてN-ホルミルメチオニンが用いられる。N-ホルミルメチオニンは、真核生物の細胞質では用いられないため、免疫系の認識対象となる。

分解系

ユビキチン-プロテアソーム系

まず、ユビキチンリガーゼにより標的タンパク質にユビキチン鎖が付加される。(ポリユビキチン化)そして、プロテアソームがそれを認識して、ATP依存的に標的タンパク質を分解する。オートファジーに比べて特異性が高い。

オートファジー

自食作用のこと。大隅良典(おおすみよしのり)が出芽酵母ではじめてオートファジーを観察し、「オートファジーの仕組みの解明」により2016年にノーベル生理学・医学賞を受賞した。

オートファジーの主な経路としてはマクロオートファジーがある。この経路では、まず過剰タンパク質や異常タンパク質とリン脂質からなるオートファゴソームが形成される。これは、酵母や植物細胞では液胞と、動物細胞ではリソソームと膜融合することでタンパク質が分解される。特にリソソームとの融合体をオートリソソームという。